野うまになったむすめ
おとうさんとおかあさんは、娘の喜ぶ顔をみて家に帰れて幸せなのだと思った。ところが間もなく、娘がとても悲しそうで野馬たちを恋しがるのに気づいた。
毎日、夕日が沈むころ、村をみおろす丘の上に、あの雄馬があらわれて、悲しげな声でいなないた。
娘を呼んでいるのだった。
何日か過ぎるとおとうさんもおかあさんも娘のさみしい様子に気がついた。
娘は病気になる。
おとうさんとおかあさんはどうしたら病気がなおるかを娘に聞いた。
「わたしは、野馬とかけまわって暮らしたいのです」
娘は、「野馬とわたしは、なかまです。野馬のところへ戻してくだされば、いつでも、幸せに暮らせます。」
つづく。