気ままにblog行進中

日々の感じたこと、体験したことなど防備録です

野馬になった娘 完成

おとうさんもおかあさんも、むすめを大事に思っていたので野馬のところへ戻りくらしてよいといった。そして、むすめに一番美しい着物と、村一番の馬を送った。白いぶちの雄馬が野馬たちを引き連れて、山から迎えにやってきた。村の人たちは、色鮮やかな毛布や、飾りのついたくらを、野馬に送った。からだに模様を書いてやったり、たてがみやしっぽを、ワシのはねやリボンで飾ってやった。
娘はいつも一緒だった子馬を村に残した。
こうして、娘はまた、白いぶちのある雄馬と一緒になった。雄馬も、娘もこうして、元気に暮らしていた。けれども、娘は、生まれた村は忘れなかった。年に一度、村に帰り、そのときは、小さな馬を1頭づつ置いていった。

あるとし、娘は、村に帰ってこなかった。それっきり、娘は二度と姿を見せなかった。けれども、村の狩人たちは、あの馬にあったという。

その時の話では、力強い雄馬のかたわらに、たてがみとしっぽを、小さな雲のようになびかせた、美しい野馬がいたそうだ。
村人たちは、娘が野馬に変わったのだと話をした。

これは、昔の話だ。しかし、いまでも、どちらにしても、しんせきだと思うとたのしいきもちになってくる。野馬たちが、自由にかけまわる姿をみると、こころが踊る。
私たちの思いも野馬と一緒に野や山をかけめぐる気持ちになる。


です。

長い間おつきあいありがとうございます。